派遣という現実 ― 50代、選ぶ自由はもうないかもしれない

派遣という現実 ― 50代、選ぶ自由はもうないかもしれない
こんにちは、ライフデザインパートナーHMです。
ここまでの記事では、
「50代は仕事を探すな、自分から作りにいけ」
「正社員神話にしがみつくな」
という現実を率直にお伝えしてきました。
転職市場に受け身で立っても、
空いている席なんてほぼ存在しない。
ましてや、正社員だから安心なんて時代は、とうに終わっています。
では、次の選択肢として「派遣」はどうなのか?
今回は、そこを現実的に掘り下げていきます。
結論から言うと、
甘い期待はやめた方がいい。
でも、使い方次第では、50代のキャリアにとって価値ある選択肢にもなり得ます。
派遣=自由、ではない現実
「派遣なら気楽に働ける」
「いろんな会社を経験できる」
──そんなふうに思っているなら、
まずそのイメージは捨てた方がいいです。
50代にとっての派遣は、
自由な生き方でも悠々自適な働き方でもありません。
現実はもっとシビアです。
- 時給労働ベース
- 契約期間は短期更新
- 年齢でどんどん不利になる
- 需要がなければ即終了
つまり、
「都合のいい働き方」ではなく、「最低限食いつなぐ働き方」になりやすいということです。
自由に働ける?
むしろ、常に切られるリスクを背負いながら働くのが派遣です。
派遣にも種類がある
ここで少しだけ整理しておきます。
ひと口に「派遣」といっても、実はいくつかタイプがあります。
- 単発・短期中心の「アルバイト派遣」
- 比較的安定志向の「無期雇用派遣(正社員型派遣)」
特に無期雇用派遣の場合、
派遣会社に「正社員」として雇われた上で、
各企業に派遣されるスタイルです。
これだと、案件の合間でも給与が支払われたり、
社会保険に加入できたり、多少の安定感はあります。
──とはいえ。
- 賞与(ボーナス)は基本ない
- 退職金も基本ない
- 年収レンジはかなり低い
なので、
「正社員型」と言っても、
一般的な正社員と同じ水準を期待していると、かなり痛い目を見ます。
私自身、無期雇用派遣を経験しましたが、
あくまで延命措置という位置づけでしかなかったのが正直なところです。
派遣でも「戦い方」で差はつく
とはいえ、
派遣でも工夫次第で生き残り方は変わってきます。
特に、現場でコミュニケーションをまとめる役に回れると、
評価が一気に上がることがあります。
- 派遣同士の関係を円滑に保つ
- トラブルを先回りして防ぐ
- 指示待ちでなく、自分から動く姿勢を見せる
こういう動き方ができると、
- 派遣先の社員から重宝される
- 派遣会社からも評価される
- 契約更新が優遇される
といったプラスが積み重なっていきます。
実際、私も派遣先で「チームのまとめ役」を引き受けたことで、
- 条件の良い現場に優先的に呼ばれる
- 長期案件を紹介される
など、派遣の中でも「選ばれる側」に回ることができました。
たとえ派遣という立場でも、
動き方次第で道は作れるというのは、確かな事実です。
派遣を使うなら「仮の拠点」と割り切れ
じゃあ、50代は派遣を全否定すべきか?
そんなことはありません。
派遣は、
- 空白期間を作らない
- 最低限の収入を確保する
- 働きながら次のチャンスを探す
という目的なら、
十分に「使える手段」です。
要するに、
派遣を「終着駅」にしなければいい。
- 副業を育てる
- 小規模な業務委託案件を探す
- スキルを広げる活動を地道に続ける
これと並行すれば、
派遣も十分にキャリア維持のための「仮の拠点」になります。
最悪なのは、
「とりあえず派遣だから楽だよね」と思考停止すること。
楽な派遣なんて、50代にはほぼ回ってきません。
冷静に、計画的に使う。
これが派遣との正しい付き合い方です。
まとめ:50代、選べないなら「作る」しかない
50代にとって、
もはや「働き方を自由に選べる」時代ではありません。
選べないなら、
自分で居場所を作る。
派遣であろうと、
業務委託であろうと、
副業であろうと。
必要なのは、
「どんな形でもいいから、自分から働き方を作りにいく」というマインドです。
そして何より、
「派遣で食いつなぎながら次を作る」くらいの図太さを持っていた方が、
これからの50代には間違いなく強みになります。
甘い幻想は、もういらない。
冷静に、着実に、動いていきましょう。