フリーランスの収入事情 ― 現実と幻想を見極めろ

こんにちは、ライフデザインパートナーHMです。

これまでの記事では、
「フリーランスは自由だが、完全な自己責任世界」
という話をしました。

今回はさらに踏み込んで、
実際にフリーランスはどのくらい稼げるのか?
について、現実的な視点で掘り下げていきます。

フリーランスの魅力:自由と裁量

まず、フリーランスには確かに大きな魅力があります。

  • 誰にも命令されず働ける
  • 働く時間も場所も自分で決められる
  • 頑張った分だけ収入に直結する
  • 付き合う相手も選べる

会社員のように

  • 上司の顔色をうかがったり
  • 意味のない会議に出たり
  • 出世競争に巻き込まれたり

する必要はありません。

しかも、
高い専門性を持っていれば、
会社員時代よりも収入が上がる可能性だって十分あります。

たとえばITエンジニア系なら、

  • 社内インフラ
  • クラウド運用
  • 業務システム開発
  • PM/PMO経験

などがあれば、
50代でも駆け出しフリーランス初期から、月単価50万〜80万円クラスの案件を現実的に狙えます。

特に、フリーランス向けエージェントを活用すれば、
このクラスの案件紹介はそこまで難しくありません。

「まず副業から」というステップを飛ばして、
最初からある程度の基盤を作ることも十分可能です。

ちなみに、地方在住でも諦める必要はありません。

最近は、

  • 東京本社の案件
  • 全国対応のフルリモート案件

が急増しており、
地方から東京基準の単価で働くことも普通に可能です。

「コストは田舎、収入は都会」
このバランスを狙えるのも、フリーランスの大きなメリットです。

(※案件によっては月1回程度の東京出張が求められる場合もあります)

これが、フリーランスのリアルなチャンスです。

フリーランスの厳しさ:自己責任と不安定さ

一方で、甘い夢だけを見て飛び込むと、
すぐに現実の壁にぶつかります。

現実はシビアです。

  • 案件を取れなきゃ即無収入
  • 病気やケガをしたら収入ゼロ
  • 単価が下がれば一気に生活苦
  • 営業・交渉・契約・納期管理・税金処理、全部自力

これがフリーランスの世界。

しかも、50代から挑戦する場合は、

  • 若手に比べて新技術キャッチアップが遅れやすい
  • 年齢で見られる目もシビア という現実もあります。

幻想に惑わされると、スタートダッシュで即死します。

ちなみに、
万一に備えて「フリーランス向けの保険」も用意されています。

たとえば、

  • 所得補償保険(病気やケガで働けない期間の収入をカバー)
  • 賠償責任保険(業務ミスなどによる損害賠償リスクに備える)

など、個人でも加入できる保険商品が増えています。

「自己責任の世界だからこそ、リスクマネジメントもプロの仕事」
──そんな意識を持っておくと、長く安定して働き続けられます。

【実例】知人たちの収入事情

ここで、実際に私の知人たちが経験したケースを紹介します。

Aさん(53歳・ITエンジニア)

  • 50代前半で独立
  • フリーランスエージェント経由で案件獲得
  • 月単価65万円×12ヶ月=年収約780万円

クラウドインフラに強く、
クライアント対応も丁寧だったため、
単価アップ交渉にも成功。

結果、会社員時代よりも収入アップしました。

ただし、稼働はほぼフルタイムでした。

「自由」というより、
「会社員より忙しいけど稼げる」というリアルです。

Bさん(58歳・CADオペレーター)

  • 50代後半でフリーランス挑戦
  • 最初は一般事務サポート案件で月収10万〜15万円ライン
  • 「このままでは厳しい」と感じ、独学で2D CAD操作を習得
  • 建設系企業向けにリモートで図面作成補助を受託
  • 月収25万〜35万円ラインにジャンプアップ

最初は単純な事務案件で食いつなぎながら、
半年かけてスキルを付加したことで、
単価も働き方も改善できたパターンです。

特に建設業界では、
「CADができる50代フリーランス」には根強いニーズがあります。

フリーランスの生存戦略:リスクを想定して動く

フリーランスで生き残るためには、
単なる希望的観測ではなく、冷静な戦略が必要です。

具体的には、

  • 自分の強みを言語化し、武器を明確にする
  • フリーランス向けエージェントをうまく活用する
  • 保険やサポート制度も積極的に利用する
  • 小さく始めて、徐々に単価と信用を積み上げる

こうした「守り」を固めながら動けば、
50代からでも十分に勝負できます。

焦って無謀な独立をする必要はありません。

リスクを認識し、リスクに備えながら、
一歩ずつキャリアを再構築していく。

それが現実的な生き方です。

まとめ:現実を見た上で、挑戦するかどうか決めろ

フリーランスには、

  • 圧倒的な自由
  • 裁量の大きさ
  • 自分のペースで稼げる可能性

という魅力がある一方、

  • 自己責任の重さ
  • 安定収入がない不安定さ

という厳しい側面もあります。

ただし、
リスクを理解し、リスクに備えた上で動けば、50代でも十分に活路は拓ける。

「幻想に惑わされず、でも現実に怯えすぎない」

このバランス感覚が、
これからのキャリアには必須です。