こんにちは、ライフデザインパートナーHMです。

2年前、私は子どもたちの教育費で深刻な家計危機に陥りました。長男の私立大学学費年額150万円と次男の受験費用で、年間250万円の教育費負担。住宅ローンもある中で、老後資金どころか毎月の生活すら厳しい状況でした。ファイナンシャルプランナーとして多くの家庭の相談を受けてきた私が、まさか自分が教育費破綻の危機に陥るとは思いもしませんでした。

こんな深刻な悩み、私もかつては他人事だと思っていました。でも、実際に自分がその立場になると、夜も眠れないほどの不安に押しつぶされそうになったんです。

長男の私立大学の学費が年間150万円、次男も受験を控えて予備校代だけで年間100万円。住宅ローンもまだ残っているのに、教育費だけで年間250万円の出費。手取り収入の半分以上が教育費に消えていく現実に、「このままでは老後資金が全く貯められない」と、何度も天井を見つめてため息をつきました。

50代の教育費負担が深刻化している理由

なぜ50代の教育費負担がこれほど重くなっているのでしょうか。

大学進学率が上がり、学費もどんどん高くなっている。しかも、住宅ローンの返済もピーク。私の周りでも、教育費のために退職金を前借りしたり、生活費を削って必死にやりくりしている家庭がたくさんあります。「うちだけじゃない」と思うと、少しだけ気が楽になったのを覚えています。

奨学金制度の現実と活用方法

子どもの教育費に困ったとき、まず検討したいのが奨学金制度です。

日本学生支援機構の奨学金には、給付型と貸与型があります。給付型は返済不要ですが、所得制限が厳しく、該当する家庭は限られています。

貸与型には、無利子の第一種と有利子の第二種があります。第一種は金利負担がない分、採用基準が厳しくなっています。

私の長男は第二種奨学金を借りることになりました。月額10万円を4年間借りると、総額480万円。卒業後20年間で返済する計算です。

奨学金を借りることで親の負担は軽くなりますが、今度は子どもが社会人になってから返済に苦労することになる。この点をどう考えるか、親として本当に悩みました。「自分の時代は親が全部出してくれたのに…」と、どこか申し訳なさも感じてしまいます。

教育ローンと奨学金の使い分け

教育資金の調達方法として、国の教育ローンや銀行の教育ローンもあります。

奨学金との違いは、借主が親になることです。奨学金は子どもが借りて子どもが返済しますが、教育ローンは親が借りて親が返済します。

私は、入学時の初期費用については教育ローンを利用し、在学中の学費については奨学金を活用することにしました。入学金や教材費など、まとまった資金が必要な時期に教育ローンを使い、毎月の学費は奨学金でカバー。こうやって何とか資金繰りを乗り切ったのです。

子どもとの費用分担を考える

教育費の負担について、子どもとしっかり話し合うことも大切です。

私は子どもたちに、大学費用の現実を正直に説明しました。「全額親が負担するのは難しい」「奨学金を借りてもらう必要がある」「卒業後は自分で返済してほしい」と。最初は子どもたちも戸惑っていましたが、家計の状況を一緒に見直すうちに、少しずつ理解してくれました。「親に迷惑をかけたくない」と、アルバイトを始めてくれた時は、胸が熱くなりました。

また、奨学金の返済についても、卒業後は子どもの責任であることを明確にしました。ただし、就職が困難な場合や収入が少ない場合には、一時的に親が支援することも約束しました。

教育費以外の支出も見直す

教育費の負担を軽減するために、他の支出も徹底的に見直しました。保険を減額し、通信費を安いプランに変更し、外食を減らしてお弁当を持参。週末の買い物も特売日を狙ってまとめ買い。こうした小さな工夫の積み重ねが、意外と大きな節約につながりました。

副業で教育費を捻出

本業の収入だけでは教育費を賄いきれないため、副業も始めました。週末にコンサルティングの仕事をしたり、妻もパートの時間を増やしたり。家族みんなで力を合わせて、何とか乗り切ったという実感があります。

教育投資の費用対効果も考える

教育費を負担する一方で、その投資効果についても冷静に考える必要があります。

大学に4年間通って総額800万円かかったとして、それに見合う収入増が期待できるのか。奨学金を借りて大学に行く価値があるのか。

これは難しい問題ですが、子どもと何度も話し合い、進学の意味を一緒に考えました。親も子も、覚悟を持って選んだ道なら、きっと後悔しないはずです。

50代の教育費負担を乗り切るコツ

50代の教育費負担を乗り切るためには、いくつかのポイントがあります。

まず、早めの準備です。中学生の頃から大学費用の積み立てを始め、高校生になったら奨学金の情報収集を始める。準備が早いほど、選択肢が増えます。

次に、家族全員での情報共有。教育費の負担について隠さずに話し合い、全員で協力する体制を作る。子どもにも現実を理解してもらうことが大切です。

そして、多様な資金調達方法の活用。奨学金、教育ローン、親族からの援助など、使えるものは全て使う。一つの方法に頼らず、リスクを分散することが重要です。

最後に、教育費以外の支出削減。保険、通信費、食費など、見直せる支出は徹底的に見直し、教育費に回せる資金を確保する。

50代の教育費負担は確かに大変。でも、家族で知恵を出し合い、工夫しながら乗り越えた経験は、今振り返るとかけがえのない財産です。子どもの将来のため、そして自分たちの老後のためにも、無理のない範囲でバランスの取れた資金計画を一緒に考えていきましょう。

※本記事に記載されている個人の体験談、教育費金額、具体的な対策内容等は説明目的のフィクション含みます。教育費負担に関する判断は専門家にご相談ください。