退職後の税金と社会保険、空白期間どう埋める?──手取りを守る切替術
こんにちは、ライフデザインパートナーHMです。
退職のあとは、新しい生活のはじまりと同時に、“切り替え”がいくつか重なります。住民税は前年の収入に基づいてかかるので、仕事を辞めた直後でもしばらく続きます。ここで驚かないように、家計の予定表に“来年の自分への支払い”としてそっと書いておくと、心が静かになります。
健康保険は、国民健康保険に入るか、会社の健康保険を任意継続するかの二択が見えてきます。保険料の計算の仕方、扶養の扱い、医療費の見通し。家族の状況に光を当てながら、どちらが“今のわが家”に合うかを選んでいく時間です。任意継続は最長2年という“時計”があるので、長い暮らしの線の上にそっと置いておきましょう。
年金については、繰下げという選び方が支えになります。仕事を少し続けるなら、受け取りを遅らせて、あとから増えた年金を迎えにいく。働き方を緩める年に受け取りを始めて、家計の呼吸を整える。今の収入と、少し先の受け取り。このリズムを意識するだけで、空白の月が“計画の一部”に変わります。
雇用保険の給付や、退職金の受け取り方も、静かに手取りへ響きます。失業給付の受給期間や再就職のタイミング、退職金の一時金と他の受け取りの重なり。紙に書き出すと、たくさんあった段差が、ゆるやかな坂道に変わります。
・住民税は前年の分。退職直後に来る“あとから”を予定表に置いておく。
・健康保険は“国保”と“任意継続”。家族の医療・扶養・保険料の見え方で選ぶ。
・年金は“今とあと”のバランス。繰下げは、空白を支えるひとつの道具。
切り替えは、同時にたくさんやろうとすると、どうしても息が上がります。順番どおりに一つずつ。焦らず、でも止まらず。そうしているうちに、退職という大きな節目は、生活の線の上に静かに馴染んでいきます。
※本記事は一般的な考え方の紹介です。住民税の徴収方法、国保・任意継続の保険料や給付、雇用保険の受給要件、年金の受給は地域・制度・個々の状況で異なります。最終判断は自治体・公的機関の最新情報で確かめる前提で読んでほしいです。