医療費控除とセルフメディケーション──無理せず取り戻すわが家のルール
こんにちは、ライフデザインパートナーHMです。
一年の終わりが見えてくると、通院のレシートや薬局の明細が机の上で混ざり合っていきます。どれが対象で、どれが対象外か。何度も調べるうちに、ため息が増える。ここでは、医療費控除とセルフメディケーション税制を暮らしのリズムに合わせて整え、無理なく“取り戻す”流れを一緒に作ります。
医療費控除は、家族の医療費が一定額を超えたときに、超えた分を所得から差し引いてくれる制度です。病院の診察・治療、入院、歯の治療、処方薬、通院のための公共交通費など、生活の中の“治療のための支出”が主役になります。健康診断は原則対象外ですが、そこで病気が見つかって治療に続いた費用は対象になり得ます。薬局のレシートは、処方薬と一般薬が混じりがちなので、箱のメモでもいいから“治療目的だったか”の一言を残しておくと、あとで自分を助けます。
セルフメディケーション税制は、対象の市販薬(スイッチOTC)を年間で一定額以上購入したときに使える控除です。健康診断や予防接種など“自分の健康を見直す行動”をしていることが前提になるので、毎年の人間ドックやインフルエンザの接種が、思わぬところで背中を押してくれることがあります。対象薬にはパッケージにマークや表記があるので、薬局で“対象のレシートをまとめて出力”してもらえるか、ひと声かけておくと年末の自分が楽になります。
二つの制度は、どちらか一方を選ぶ場面もあれば、家族全体で見ると“こちらは医療費控除、こちらはセルフメディケーション”と分かれることもあります。難しく考えずに、家計簿の中に医療費の見出しをひとつ作って、月ごとに合計だけを置いておきましょう。確定申告の時期が来たら、医療費通知(健康保険から届く明細)と突き合わせ、足りない分だけレシートで補う。これだけで、半分以上は片づきます。
医療費は“世帯で月の合計”を並べたほうが続きやすい。足りない明細は医療費通知で埋め、通院の交通費は手帳に区間だけメモ。完璧より、積み残しが少ないほうが気持ちが軽いです。
もうひとつ、保険との境目にも目を向けておきたいところです。入院給付金など“受け取ったお金”があるときは、医療費から差し引くのが基本です。ここを先に思い出しておけば、申告の直前で慌てません。
年が明ける頃、封筒ひとつに医療費の紙が静かにたまっている。そんな光景を目指して、今日のレシートをそっと入れておきましょう。数字はあとでゆっくり整えれば十分です。
※本記事は一般的な考え方の紹介です。控除の対象や金額の扱い、セルフメディケーション税制の対象薬・要件は法改正や個別の状況で変わります。最新の案内は国税庁や健康保険組合の情報で確かめる前提で読んでほしいです。