物価が上がる時代の守り方──金・コモディティ、入れすぎ注意の目安
こんにちは、ライフデザインパートナーHMです。
レジ前の数字が少しずつ上へ動く時代、金(ゴールド)やコモディティが気になり始めます。インフレの風に正面から立ち向かうより、風よけをそっと置く感覚が近いかもしれません。
金は、通貨や株と違って“誰かの負債”ではない点が安心の源泉です。非常時の避難所のように見えますが、値段は上下しますし、配当や利息は生みません。だからこそ、“暮らし全体の防風林”として薄く広く置くのが、長く続けやすい形です。コモディティ(資源やエネルギー)は、物価と同じ方向へ動きやすい一方で、需給や政治の影響も濃く受けます。こちらも“効かせ過ぎない”が落ち着きのカギです。
目安は、生活の通貨と投資の目的に合わせた“薄い層”。たとえば資産全体の数%〜10%前後まで。インフレの影響をやわらげつつ、資産の主役は株式や債券、現金の役割に残しておく。そんな置き方だと、上がっても下がっても、心の揺れは小さくなります。
・「守り」の層は、増やすためではなく、崩れないために。
・買い方は“少しずつ・長く”。一度に大きくは動かさない。
・現物・投信・ETFなど、管理しやすい器を選ぶ。
インフレ対策は、暮らしの設計と同時に考えるとスムーズです。固定費の見直し、収入の複線化、投資の積み上げ。その並びに、小さな“金と資源”を添えるイメージ。防風林は、森そのものを支える脇役です。
補足で、商品(コモディティ)の“器の違い”を置いておきます。先物直結の投信・ETFはロールオーバーによる“ロールコスト”が成績を押し下げる局面があり、現物連動の金ETFや現物積立は保管コストや為替の影響が乗ります。インフレ連動債は“実質金利”に連動するため、名目インフレと実質金利の関係で効き方が変わります。生活目線では“金(現物/ETF)+インフレ連動債”の薄い組合せが扱いやすいことが多く、エネルギー・穀物など“価格変動の大きい領域”は少額・学習用と割り切るのが無理のない置き方です。
リスクを数字で短く掴むなら、“最大ドローダウン(過去の最大下落)”と“相関”の二つだけ。資産全体の下落時に、金やコモディティが“下げ幅を和らげた実績”があるか。相関が低いほど、防風林としての意味が生まれます。とはいえ、相関は時期で変わります。防風林は“過信しない薄さ”がちょうどいい。暮らしの通貨で考える感覚を、最後にもう一度、手のひらに置いておきましょう。
※本記事は一般的な考え方の紹介です。金・コモディティは価格変動が大きく、投資商品の手数料や為替の影響も受けます。最終判断は商品性の説明書と公的情報で確かめる前提で読んでほしいです。