「緊張するとお腹が…」その悩み、ひとりじゃない

・外出前、何度もトイレに行ってしまう
・会議中にお腹が痛くなるのが怖い
・「またなったらどうしよう」と不安になる

──これはすべて**IBS(過敏性腸症候群)**のサインです。

でも、薬や食事だけで整えようとしても限界がある。
鍵は、脳と腸の“緊張のループ”を断つことです。

自律神経に働きかける「ロッキング呼吸」

不安や緊張で乱れる自律神経。
その揺れが腸に伝わり、腸も過敏に動きすぎてしまう。

この悪循環を断つには、“揺れ”と“リズム”を与える呼吸が有効です。

それが「3拍子ロッキング呼吸」。

  • 3拍子でゆらす → リズムで脳を落ち着ける
  • 呼吸を合わせる → 横隔膜の動きが腸を刺激
  • “揺れながら吐く” ことで副交感神経が優位に

まるで赤ちゃんがゆられて安心するように、
**体全体に“落ち着くテンポ”**を取り戻していきます。

実践:3拍子ロッキング呼吸(所要2〜3分)

◾️準備

  • 椅子に座り、背もたれから少し離れる
  • 足裏は床にしっかりつける
  • 両手は膝か太もも上に軽く置く

◾️ステップ①:揺れるテンポを作る(30秒)

  1. 上体を前後にゆっくり揺らす(小さな動きでOK)
  2. 1・2・3 のリズムで「前・後・止」
  3. 揺れに合わせて、自分のペースを整える
ヒント

リズムは「ワルツ」のような柔らかさが理想。

◾️ステップ②:呼吸を重ねる(1分)

  1. 「前に倒れるとき」に鼻から吸う(約3秒)
  2. 「後ろに戻るとき」に口からゆっくり吐く(約4〜6秒)
  3. できるだけ呼吸は細く、長く、音が出るくらい

◾️ステップ③:揺れ+呼吸を5セット

目安は吸う→吐く→無呼吸の止まる時間で1セット。

この3拍子が体と心のテンポを整えていきます。

いつ使うのが効果的?

  • 通勤前、自宅で整えたいとき
  • トイレの不安を感じたとき
  • 緊張する場面の直前(会議、プレゼンなど)
  • 夜寝る前に不安で眠れないとき

続けると起こる変化

  • お腹が“波立ちにくく”なる
  • 「また痛くなったら…」という不安が和らぐ
  • 呼吸が深くなり、外出が怖くなくなる
  • IBSの症状そのものが軽く感じられる日が増える
補足

IBSには“緊張”と“予期不安”の対処が不可欠。
呼吸と揺れで「落ち着くパターン」を自分に覚えさせていきましょう。

Q&A

Q. 揺れるのが恥ずかしい…

A. 自宅や個室トイレで行えばOK。
座ったまま微細に前後するだけでも十分です。

Q. 呼吸と揺れが合いません…

A. 最初は別々に練習しても大丈夫。
呼吸だけでも効果があるので、徐々に揃えていけば問題ありません。

Q. 症状がひどくて辛いときは?

A. 決して無理はせず、「呼吸だけ」「イメージだけ」でも構いません。
苦しくない範囲で**“安心のテンポ”を体に思い出させること**が大切です。

まとめ:腸の過敏は“やさしい揺れ”で和らぐ

過敏性腸症候群は、見えない不安や緊張とつながっています。

でも、「自分で自分を落ち着けられる方法」があると、
それだけで体も心も、ゆるみはじめます。

揺れと呼吸──その3拍子が、
過敏に揺れる腸に“穏やかなテンポ”を届けてくれます。