「出ない」のではなく「動かない」。腸を“思い出させる”3つの動き

「お腹の張りが気になる」
「トイレに座っても、便意が来ない」
「何となく、下腹が固まってる気がする…」

そんなとき、腸は単に「詰まっている」のではなく、
“動き方”を忘れてしまっている状態かもしれません。

腸は自律神経や筋肉の連動で動く臓器。
だからこそ、体幹(コア)をゆるやかに動かすことで、
腸がふっと「思い出したように」反応することがあるのです。

腸は「揺れ」「支え」「開放」でスイッチが入る

腸の動きに影響を与えるのは以下の3つの体の動き:

  • ひねる → 脊柱や腸間膜がストレッチされ、腸が揺れる
  • 止める → 腹圧と骨盤底筋が安定し、内臓が正しい位置に戻る
  • 伸ばす → 横隔膜の動きが深くなり、自律神経が整う

これらを段階的に行うことで、腸にとって理想的な環境が生まれます。

実践:「ひねる」「止める」「伸ばす」の3ステップコアトレ

ステップ①:ひねる(腸を揺らすウォーミングアップ)

  1. 仰向けに寝て、両膝を立てる
  2. 両腕を肩の高さで左右に広げる
  3. 両膝をそろえたまま、ゆっくり右に倒す
  4. 戻して、左に倒す
  5. 息を吐きながら、左右交互に3〜5回
ワンポイント

「お腹の中がねじれる感覚」を大事に。倒しきらなくてOK、心地よさ優先で。

ステップ②:止める(腹圧で“中を支える”)

  1. 仰向けのまま膝を立て、お腹に手を置く
  2. 息を吸いながらお腹をふくらませる
  3. 息を止めて、腹圧をキープしながら5秒間静止
  4. 息をゆっくり吐いてリラックス
  5. これを3回繰り返す
なぜ“止める”のか?

腹圧で内臓の位置が安定すると、腸が動きやすくなります。
“踏ん張らないいきみ”の練習にもなります。

ステップ③:伸ばす(腸の通り道を開放)

  1. 仰向けで、両手を頭の上に伸ばす
  2. 足は遠くに伸ばすように意識
  3. 手足を上下に引っ張られるようにストレッチ
  4. 5秒キープし、ゆっくり元に戻す
  5. 3回繰り返す
腰が反らないよう注意

腰が浮きすぎると負担がかかるので、背中はマットに沿わせたまま行いましょう。

続けるとどうなる?

  • トイレ前にやると便意が訪れやすくなる
  • お腹の張りが抜けやすくなる
  • 「あ、動き出したかも」という小さな実感が得られる

コアトレといっても、筋トレではありません。
“中の流れ”を呼び覚ますことが目的です。

まとめ:「腸を動かす」より「腸が動く環境をつくる」

ひねる → 止める → 伸ばす。
この流れは、腸にとってとても自然な刺激の順序です。

頑張らない、でも確実に効いてくる。
体幹から腸へ。あなたの身体が、また“動くこと”を思い出してくれるかもしれません。

Q&A

Q. 運動が苦手でも本当にできますか?

A. はい、寝たままでできるので、体力に自信がない方でも大丈夫です。
動きもゆっくりで負担が少なく、無理なく取り組めます。

ワンポイント

朝の布団の中や、夜寝る前に軽くやるのがおすすめです。

Q. 3つの動きを全部やらないと効果ありませんか?

A. ひとつだけでもOKです。
「ひねるだけ」「止めるだけ」でも腸は反応します。
まずは1ステップからで構いません。

ワンポイント

毎日続けることが大切。気分や体調で調整しましょう。

Q. どのくらいの時間でできるものですか?

A. 全部合わせても3〜5分程度です。
テレビを見ながら、寝る前のスマホ前でも取り組めます。

ワンポイント

忙しい方は「1日1ステップ×3日サイクル」でも充分です。

Q. ひねると腰が痛くなることがあるのですが…

A. 痛みがある場合は、膝の倒し角度を浅くしたり、動かす範囲を小さくしてください。

ワンポイント

無理に倒そうとせず、「お腹の中をそっとねじる」意識だけで効果はあります。


Q. 続けるとどんな変化が出てきますか?

A. 「便意が自然にくるようになった」「お腹がスッキリしやすくなった」と感じる方が多いです。

ワンポイント

“力まず出る”ようになるのが一つのゴールです。
腸が“動いていいよ”と感じる環境をつくってあげましょう。